一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

第75回日本細胞生物学会大会 男女共同参画推進・若手研究者育成委員会企画ランチョンワークショップ 「博士のキャリアをどう作る?」

共催

学術変革(A)「マテリアルシンバイオシスのための生命物理化学」

日時

2023年6月30日(金)12:15~13:15

場所

奈良県コンベンションセンター

演者

天野麻穂(北海道大学)、中野亮平トーマス(北海道大学)

司会

大澤 志津江(名古屋大学)、佐藤あやの(岡山大学)

昨年度に引き続き、「博士のキャリアをどう作るか」というテーマについて、2つの講演と対談が行われました。

講演では、まず天野先生が、URAからの復帰女性研究者として、自身の経験をもとにアカデミア研究者の多様性と、起業家研究者としての役割についてお話し下さいました。ダイバーシティ推進が掲げられている社会において、まだまだアカデミアで感じる不利や不便についても言及されました。また、健康的でやりがいのある研究者生活を送る方法、サイエンス-アートやコミュニケーション-ネットワークの循環の大切さを強調されました。続いて中野先生は、ドイツでの子育て経験を通じて感じた家庭と仕事のバランスの難しさについてお話し下さいました。ご自身の各キャリア段階を例に挙げ、また、ドイツの「家庭を大事にする風土」や各キャリア段階における助言者の存在が自身のキャリア形成に及ぼした影響について話されました。

講演の後は、若手の会メンバーの博士課程学生三名を登壇者として迎え、対談形式でキャリア形成について討議しました。会場からの質問等も合わせ、活発な議論が交わされ、ワーク-ライフバランスについて、プラクティカル、メンタル両面からどのようにマネージするのが良いかなどの議題も提起されました。

アンケートはGoogle formsと紙媒体を併用して回答を募りました。得られた33件の回答のうち、47%の参加者が「非常に有益」と回答し、「有益」と答えた参加者と合わせた割合は87%となっており、参加者にとって有意義な情報を提供できたと思われます。実際、キャリアパスの参考になったという意見が多数寄せられており、キャリア形成段階の研究者や学生を支える役割の方々にとっても有益な情報源となったのではないかと感じました。また、大学院生との対談形式が好意的に評価される結果ともなりました。キャリア形成の悩みに関する自由記述欄では昨年度に引き続き、博士号取得後の進路(アカデミア以外の進路選択・留学・結婚子育てなどライフイベントとの両立)に関する記述が占める結果となり、今後も引き続き、男女共同参画推進・若手研究者育成委員会は、博士のキャリア形成における支援や多様性の促進を進めて参ります。

ワークショップアンケート結果

日本細胞生物学会賛助会員

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