一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

学会概要

日本細胞生物学会は、生命の基本単位である細胞について研究する者の集まりとして昭和25年に発足し、もうすぐ65周年を迎えようとしています。細胞生物学をキーワードに、医学・理学・工学・薬学など幅広い分野の研究者が集まって、現在は1200名余りの会員を擁するに至っております。細胞生物学は電子顕微鏡の導入、光学顕微鏡の改良、各種生化学的技術の開発、分子生物学と細胞・遺伝子工学の導入によっていわゆる分子細胞生物学へ脱皮いたしました。以来、動物・植物を問わず、細胞の生命現象の探求は急速に進み、その成果は確実に医学・農学・薬学等へ応用されてまいりました。今や、細胞生物学は生命科学の中心であり、その発展は時代の要請であります。

本会の目的は、細胞生物学分野の研究成果の公開、情報共有を行うことで、細胞生物学の発展に貢献することです。主たる学会活動としては、毎年春の大会の開催、学会誌Cell Structure and Function(英文:Online Journal)の刊行、会報「細胞生物」の配信を行っています。更に常時学会ホームページにて実験などに関する情報の更新と共有を行っております。また国際的には、昭和59年に第3回国際細胞生物学会議、平成10年に第3回アジア太平洋細胞生物学会議をそれぞれ主催いたしました。その他に国内外で開催される学術集会の共催等も行っています。

細胞生物学会では、若手の研究者が活躍できる学会を目指しています。是非とも元気ある若手研究者に学会運営に参加していただき、魅力ある学会にしていきたいと思います。魅力ある学会作りという点では、毎年の大会をどのように運営するのかが非常に重要になります。2013年度の大会は稲垣昌樹大会長のもと名古屋での開催となりましたが、どの会場も大変熱のこもった講演とディスカッションがなされており、すばらしい大会になりました。これは、稲垣先生を中心とした大会事務局の方々の企画力と努力に因るもので、名古屋大会関係者の皆様に深く感謝しております。

この名古屋大会では、4回目となった若手最優秀発表賞選考会が行われました。応募のあった44演題から、書面審査でまず11名の若手優秀発表賞が選ばれ、さらに大会初日の若手最優秀発表賞選考会において11名の方の口頭発表が行われ、採点の結果2名の方が若手最優秀発表賞受賞者として選ばれました。若手最優秀発表賞を受賞された2名の方はもちろんですが、若手優秀発表賞を受賞された11名の方の発表も、研究内容・プレゼンの分かりやすさ、いずれの点においてもすばらしいもので、大変感激しました。細胞生物学会大会の目玉の一つとしてこの選考会が今後も継続されることを願っています。

大会開催と共に、本会が実施する大切な事業にCell Structure and Function(CSF)の刊行があります。大変嬉しいことに、CSFでは近年非常に質の高い論文が会員から多数投稿されるようになってきています。これまで歴代の編集委員長がCSFのレベル向上に取り組まれ、その一環としてCSFは国内でもかなり早くからオンラインジャーナル化、オープンアクセスを実施してきましたが、ここに至って投稿数もずいぶん増えて来ています。CSFでは貝淵編集委員長のもと、速やかな査読を心がけていますので、会員の皆様には今後是非ともCSFへの投稿を考えていただきたいと思います。CSFが強くなることと細胞生物学会の発展は大きく連動しています。わが国から発行される代表的な学術誌として、是非ともCSFをさらに良いものにしていきたいと考えています。

最後に法人化について触れたいと思います。現在細胞生物学会は法人格を持たない任意団体として存在しています。任意団体というのは社会的に正式に認知されていない団体ですので、様々な事業を実施する上で困難があると同時に、事業体として社会的責任を果たす上でも障害となります。このようなことから、近年多くの学会が法人化を進めています。細胞生物学会では2012年の総会・評議員会で法人化検討委員会が設置され、また今年の総会・評議員会で法人化の準備を進めることが決定されました。今後は法人化に向けて定款の検討などの作業を進めていき、2014年の秋頃には法人格を取得したいと考えております。

細胞生物学会は現在一つの節目に来ていると思います。法人化と共にさらに大きく発展してわが国の生命科学をリードする主要学会となるよう、私ども執行部にはその運営に大きな責任がありますが、会員の皆様も細胞生物学会発展のために積極的なご協力(新規会員の勧誘、大会への参加・発表、ホームページの運営、CSFへの投稿等)を是非ともお願いしたいと存じます。

日本細胞生物学会賛助会員

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