一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

第68回日本細胞生物学会大会ランチョンワークショップ「教育・研究の場における男女共同参画推進」

開催日

2016年6月15日(水)大会1日目 12時20分~13時10分

講師

稲葉カヨ
(京都大学理事・副学長、男女共同参画、国際、広報)

司会

中村暢宏(京都産業大学)

本年度は、京都大学の副学長であり男女共同参画担当として活躍なさっている稲葉先生をお迎えして、「教育・研究の場における男女共同参画推進」をテーマとしてご講演を頂きました。詳細なデータに基づいて、特に大学研究機関での男女の雇用格差や雇用環境の現状について、科学者としての視点から分析した結果をわかりやすく解説して下さいました。日本はOECD加盟国の中でも特に男女差が大きく、依然として男性中心社会であり続けていること、女性研究者が出産・育児といったライフイベントで男性に比べて不利な状態に置かれていることが明らかとなりました。男性の育休取得などわずかながら改善している点もありますが、まだまだ現場やそれを取り巻く社会で努力が必要なことがよくわかりました。また、このような状況を改善し、男女共同参画を進めるにはどのような施策が必要か、稲葉先生が取り組んでこられた女性研究者の支援策などにもふれながら解説をして頂きました。要所要所でピリッとしたご意見を述べられていたのがとても印象的でした。先生の講演やフロアからの質問を聞いていますと、様々な施策が取られているにもかかわらず、なかなか研究現場での男女共同参画が進んでいない状況を残念に感じました。現状を変えるためには、男性研究者の時短や育休取得アップなどを進める啓蒙活動も必要でしょう。また、研究業界だけでなく、一般社会で男女ともにさらに意識改革を進めていく必要がありそうです。

文責:中村暢宏(京都産業大学)

ワークショップアンケート結果

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