一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

第66回日本細胞生物学会ランチョンワークショップ「~それから~若手研究者育成の定点観測とキャリア形成へのヒント」

開催日

2014年6月13日(金)11時45分~12時35分

講師

兼松 泰男(大阪大学 教授 産学連携本部イノベーション部長)

司会

斉藤 典子(熊本大学 発生医研)
原 太一(群馬大学 生体調節研)

今回のワークショップは、2009年の本ランチョンワークショップにおいて話題提供いただいた大阪大学の兼松泰男教授に再びお越しいただきました。その後5年間のキャリアパスの取り組みがどのような変化に至ったのかという、新しい角度からキャリア形成へのヒントを見いだす機会を設けることを目的に「~それから~若手研究者育成の定点観測とキャリア形成へのヒント」というタイトルで本ワークショップを企画いたしました。会場には用意していたお弁当が足りなくなるほどたくさんの方に集まっていただき、盛況に行うことができました。講演後には、もう少しディスカッション時間がとれればと反省するほど活発な議論が交わされ、この問題への関心の大きさを痛感いたしました。
兼松先生のお話では、冒頭から「過去5年間の取り組みによって博士研究者の抱える就職状況は変わっていない」という衝撃の事実を知らされることとなりました。しかしながら、企業にインターシップとして参加した大阪大学の学生94名のうち半分がキャリアを見つけたという成果が示され、取り組みそのものは有効ではないかと思われました。では、なぜ博士研究者の就職問題が解決しないのか?フロアーからの議論では「若手研究者が研究活動を中断し、インターンシップを含めた就職活動に長い時間をかけることが難しい」という現実が挙げられました。学生や若手研究者にとっての研究への影響、研究室の主宰者にとっての運営への影響などが就職活動に立ちはだかる問題となっているのかもしれませんが、それぞれの立場の人間が少しずつ融通を利かせることが解決の一助となるのではないかと考えさせられました。解決するべき課題がたくさんありますが、今回のワークショップがキャリア形成を考える契機になればと思います。
文責:原 太一(群馬大学)

ワークショップアンケート結果

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