一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

マウス小腸からの腸管内分泌細胞(enteroendocrine cells)の単離

author長竹 貴広、濱崎 洋子
所属京都大学大学院医学研究科 免疫細胞生物学教室
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Keyword腸管内分泌細胞、クローディン、FACS、細胞単離
Published2015-02-27Last Update2015-02-27
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概要・原理

腸管内分泌細胞は消化管の粘膜上皮層のわずか数%を占めるマイナーな細胞群であるが、食餌性脂質や糖質を感知すると様々なホルモンを分泌することで消化や食欲、代謝を制御し、腸管を内分泌器官として機能させることに大きく寄与している。産生するホルモンの違いにより10種類ほどのサブセットに分かれるが、特にGIPとGLP-1は膵臓ランゲルハンス島β細胞からのインスリン分泌を促進する(インクレチン効果)ことから、各々のホルモンを産生するK細胞とL細胞は糖尿病治療のターゲッットして高い注目が集まっている。本プロトコールでは、私達が取得したclaudin-4の細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体を用いて、FACSによるマウス小腸内分泌細胞の単離・分画法について紹介する。

装置・器具・試薬

詳細  *それぞれの写真をクリックすると拡大します。

    • マウスを頸椎脱臼し安楽死させた後、切開によって小腸を採取する。
    • 小腸を長軸方向に切り開き管腔面を露にし、氷上PBSで糞便を洗い落とす。(図1 ステップ1)
    • 洗浄後の小腸を2cm程の長さに切り、0.5mM EDTA, 2% NCS/RPMIを30mLほど入れた三角フラスコの中に入れて37℃, 15分間スターラーで撹拌する。(図1 ステップ2、3)
    • 撹拌後、70um径のセルストレイナーに通して濾過液を採取する。(図1 ステップ4)
    • 濾過液を350g, 4℃, 5分間遠心する。(図1 ステップ5)
    • 上清を捨てて沈殿をほぐし、FACS解析用サンプルとする。
    • 蛍光色素のついた抗CD45、抗TER119、抗EpCAM抗体、UEA-1、及びbiotin-claudin4(HKH-189)(濃度)をバッファーに入れ、氷上で30分インキュベートする。
    • バッファーで2回washし、蛍光色素標識-avidinを添加して氷上で30分インキュベートしたのち、再度washする。
    • FACS Ariaに供し、下記の1)かつ2)ゲートを腸管上皮細胞分画とする。(図2)
      1)Propidium iodide、CD45、TER119 陰性(死細胞、白血球、赤血球をゲートアウト)
      2)EpCAM陽性
    • 上述した腸管上皮細胞分画をさらに、Claudin-4の発現とUEA-1の結合性により二次元展開し、4つの細胞群に分離する(図3)。

工夫とコツ

参考文献