一般社団法人
日本細胞生物学会Japan Society for Cell Biology

Vol.13 February (1) 第56回大会に向けて

久保田 広志 (京都大学再生医科学研究所)

 永田教授が第56回大会の実行委員長になったのに伴い庶務委員をすることになりました。これまで,大学院生の時は比較的小さな研究室で,その後ボスドクは海外,帰国後半官半民の研究所に所属していた私にとって,学会のお世話をするのはこれが初めてのことです。初めは軽い気持ちで引き受けたのですが,やってみると非常に大変な仕事であることに気づきました。まずは,2年前の岐阜大会の下見から始め,どのセッションにどのくらいの人が入っているか,学生を総動員して調べました。その後,会場を決めたのですが,京都=国際会館では特色を出せないだろうということで,思い切って琵琶湖畔の大津市で開くことにしました。会場からは琵琶湖が一望できます。京都からも電車で十数分で行けるところにあり,アクセスもよいです。学会が開催される5月は気候もよく非常によい環境で会議ができると思います

 大会実行委員会とプログラム委員会のそれぞれの会合で活発な議論がなされ,細胞生物学会としての特色を生かしたプログラムに変えて行くべきとの意見が多かったように思います。具体的には,ポスターをやめて全部オーラルにしてはどうかという意見も出ましたが,会場の都合や全ての学生にオーラル発表させるのは難しい事などから,この案は見送ることにしました。そのかわり,ワークショツプに一般演題の希望者の中から数題をピックアップすることになりました。また,多数のシンポジウムとワークショップを同時並行に行うと聴衆が分散して盛り上がりに欠けることなどから,思い切って企画数を減らし,シンポジウムは一日1セッションの計3つ,ワークショップは一日3セッションずつの計9つに絞りました。また,細胞生物学会の特色の一つであるビジュアルセッションをもっと盛り上げていこうということで,これまでビデオを流したままになっていたこのセッションを,演者がいて説明を行い質疑応答も行うワークショップ形式に変更することにしました。さらに,学生や若い研究者に好評を得ているフリーミーティングについて,これまで空き会場や空き時間に行っていたものを,サポート強化のため場所と時間をあらかじめ用意することにしました。ビジュアルセッションとフリーミーティングは一般演題とは別枠ですので一般演題に演題を出した方も別途応募できます。興味のある方はそれぞれの代表世話人に電子メールでコンタクトして下さい。また,次世代を担う研究者の卵に,細胞生物学に対する興味を持ってもらおうと,大学生(学部生)の大会参加を無料(事前登録が必要です)とすることにしました

 以上,現状報告のようになってしまいましたが,この仕事をやっていて感じることは,学会運営は研究者のボランティアな精神によって支えられているということです。これまで,研究者は研究だけやっていればいいと思っていた部分もあったのですが,科学の発展のためには,こういうことも大切なのだと思います。私個人的には,研究は楽しくあるべきと考えておりますので,研究が楽しくて仕方ない研究者の方々に活発な意見交換の場を提供できればと思っています。最後に,大会の成功にはみなさんの参加が欠かせません。一人でも多くの方の参加を心よりお待ちしています


(2003-02-01)

日本細胞生物学会賛助会員

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